私は起業してから10年以上経過していますが、いつも思うのは知識は武器になるということです。デジタルマーケティングに携わっていると新しいサービスやツール、機能がどんどん登場してきます。これらの知識を基礎的なものを正しく正確に抑えてくだけでも信頼して仕事を依頼されたり相談をしてもらうことができます。
しかし、デジタルマーケティングの世界にいると全ての領域において(正しくは広範囲の領域において)知識を持っておくことは生活の全てを捧げるくらいでないと到底無理ではあります。
私は家族もいますし、仕事以外の時間も大切にしたいのでその中でどうやって知識を効率よく増やしていくかを考えていたのですが、その時に出会ったのがこの書籍になります。
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以下は自分用のメモですが、興味が湧いたり読んでみたいと思ったら書籍を手に取ってもらえればと思います。
効果が高くない勉強法
ただ繰り返して読むこと(再読)
繰り返し読む行為は自分自身学生時代にやってきた勉強法であるのですが、科学的には効果が高くないようです。アメリカのある名門大学の学生を対象にした調査では、多くの学生が試験対策としてノートや教科書の再読を挙げていましたが、効果が高いとは評価されていないとのこと。見覚えのある単語を見て覚えている気になったり、授業中に書いたノートを見返して覚えていると思ってしまったりする経験は効果がない勉強法である可能性があるそうです。
参考書や教科書の内容をノートに書き写したり、まとめたりすること
教科書や参考書の内容を綺麗にノートに書き写したり、まとめたりする行為は、「勉強した気」にはなるだけで、試験の点数に繋がらないことが多いと指摘されています。アメリカの高校生を対象にした研究でも、ノートの取り方と学習効果について調べた結果、ただ書き写すだけのノートは学習効果が低いことが示唆されているとのこと。教科書に書いてあることをそのまま黒板に書く教師の授業などでは、ノートを取る理由があまりない場合もあると述べられています。
自分の好きな学習スタイルで勉強すること
視覚型、聴覚型、読み書き型、運動感覚型といった学習スタイルに合わせて勉強しても、学習効果は特に上がらないという研究結果がある。自分の好きなスタイルでの勉強がモチベーションに繋がる可能性はあるものの、効果的な勉強ができていない場合は気をつけた方が良いそうです。
ここに挙げた上記の勉強法は、学んだ内容を記憶から引き出すアウトプットの要素が少ないため、効果が低い勉強法だと考えられています。どれも学生時代にやってきたことですし、視聴型の学習スタイルは通勤電車でやっていたりしたけど覚えられなかった経験があるので効果的でないことは悔しいかな納得しました。学生時代に戻って勉強をやり直したい気分です。
効果が高い勉強法
効果の高い勉強法は以下になります。
アクティブ・リコール(想起練習)
学んだ内容を記憶から積極的に引き出す練習になります。教科書やノートを見ずに、覚えたことを思い出す、人に説明する、紙に書き出す、練習問題を解くといった方法です。アクティブ・リコールは、単に情報を再入力するよりも記憶の定着に効果的であり、「望ましい困難」を与えることで学習効果を高めます。書籍では、著者が医学の知識を覚える際に用いた「白紙勉強法」が紹介されており、これは覚えたい情報を読んだ後、見ないで白い紙にできるだけ書き出すという方法が紹介されていました。
マーケティングで活用するならば、本や媒体資料で読んだ内容をパワーポイントなどの提案資料やセミナー・勉強会資料に落とし込むといったことでアクティブ・リコールができるのではないでしょうか。
分散学習(間隔反復)。
分散学習は一度にまとめて勉強するのではなく、時間を空けて繰り返し学習する方法です。情報を繰り返し入力・取り出すことで、脳に「これは必要な情報だ」と伝えるイメージ。研究により、分散学習は、同じ時間数を勉強した場合でも、間隔を空けた方が記憶の定着が良いことが示されています。学習の間隔は、覚える情報の難しさや自分の習熟度によって調整することが重要とのことです。
精緻的質問(Elaborative Interrogation)。
学習している内容について、「なぜ?」という質問を繰り返し自問自答することで、記憶を深める方法です。例えば、「なぜこの現象が起こるのか?」「なぜこの情報が重要なのか?」といった質問を自分に問いかけ、深く考えることで、単なる暗記ではなく、内容の理解を促します。
これもマーケティングや運用型広告では使うシーンが多いと思いました。なぜ、売上が伸びたのかといった事例を繰り返し分析や考察をしていくとあらゆる原因がその度毎、あるいはクライアント毎に答えが同じだったり異なったりするため、知識が深まっていき、様々な事象のなぜに対して答えを導き出せるようになります。
自己説明(Self-Explanation)。
これは、学習している内容や問題解決のプロセスを、自分の言葉で自分自身に説明する勉強法です。学んだことを既に知っていることと関連付けたり、自分の理解度を客観的に評価したりすることも含まれます。
これも資料作成やミーティングでの発言を通じて鍛えられるのではないでしょうか。学んだことを言葉で話すと理解が足りない部分に気がつくことができたりするので、効率的だと思います。
インターリービング(Interleaving、ランダム練習)。
異なるスキルやタスクを混ぜ合わせて練習する方法です。同じ種類の問題をまとめて練習する(ブロック練習)よりも、最終的な学習の成果が高まることが示されています。インターリービングは、実際の試験のように問題がランダムに出題される状況に対応するための、より負荷の高い効果的な勉強法と言えます。ただし、基礎知識が不足している場合は、最初にブロック練習で基本的な理解を深めてからインターリービングを取り入れるのが良いかもしれません。
イメージ変換法。
覚えにくい情報を覚えやすいイメージに変換する記憶術です。数字、英単語、歴史の出来事などを、語呂合わせや連想を使って具体的なイメージに変換することで、記憶しやすく、思い出しやすくします。古代から存在する記憶術であり、インパクトのある、感情を動かすようなイメージを使うと、より効果的であるとされています。
場所法(Method of Loci)。
古代からの記憶術で、覚えたい情報を、自分がよく知っている場所の順に結びつけて記憶する方法です。例えば、家の玄関から各部屋を巡るルートを思い浮かべ、覚えたい情報をその場所と関連付けることで、思い出す際に場所を辿ることで情報を引き出すことができます。記憶力競技の選手(メモリーアスリート)もよく使う方法だそうです。
ファインマン・テクニック。
これは、学んだ内容を誰にでもわかるように平易な言葉で説明することで、自分の理解度を確認し、不十分な点を明確にする勉強法です。説明する中で詰まってしまった箇所は、理解が曖昧な部分であるため、そこを重点的に学び直します。
これはセミナーや講演が上手な人の手法に通じている項目に思います。セミナーや講演が上手な人は例え話が上手いと個人的には感じていて、例え話が分かりやすいことで高評価を得ることができていると考えています。池上彰さんも説明が小学生でも分かるようにというところからスタートしているのでファインマン・テクニックを使っていたのかもしれませんね。
コーネル式ノート術。
ノートを「質問/キーワード」「ノート」「要約」の3つのセクションに分割して使うノート術です。授業や読書の際に「ノート」セクションに記録し、「質問/キーワード」セクションには重要なポイントや疑問点を書き出し、最後に「要約」セクションで内容を簡潔にまとめます。復習時には、「質問/キーワード」セクションを見て「ノート」セクションの内容をアクティブ・リコールすることで、効果的な学習に繋げる方法です。
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