はじめに
この書籍は、「梅澤式」と呼ばれるヒット商品を生み出す手法が書かれた本です。
梅澤さんを知らない人に梅澤さんがどういったヒット商品を開発したのか一例を挙げると、サンスタートニ ックシャンプー、GUM、オーラ2、カビキラー、固めるテンプル、ズックリン、明治おいしい牛乳、R-1、LG21、VAAM、チューブでバター、エッセルスーパーカップ超バニラ、シャウエッセン、禁煙パイポ、写ルンです、塗るつけまつげ、ナチュリエ、ヒップウォーカー、釣りスピリッツ、機動戦士ガンダム戦場の絆、ジョイサウンド、ぐーぴたっなどが自ら開発したりコンサルティングをしたものです。間接的に開発指導を行なった商品は午後の紅茶、ウコンの力、モンカフェ、ソイジョイ、じゃがりこ、カントリーマアム、スーパーカップ、スープはるさめ、ザバス、ファミコン、DS脳トレ、テプラなどがあります。
馴染みのある商品もあるのでどれか最低1つは知っているものがあるのではないでしょうか。
消費者の潜在ニーズを掘り起こし、革新的な商品コンセプトを生み出すことに焦点を当てていて、サンスター、ジョンソン、明治などのヒット商品開発事例を基にコンセプト思考の重要性や具体的な開発プロセスが解説されています。また、市場調査やグループインタビューの活用、ネーミングの工夫など、実践的なノウハウも書かれているので、ロングセラー商品を生み出すための体系的なアプローチを学ぶことができます。
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以下は鳴海が気になった点をまとめたものです。
商品コンセプトを重視した商品開発
梅澤式の商品開発は、消費者がまだ気づいていない潜在ニーズに応えるコンセプト発想法を用いて、ロングヒット商品を生み出しています。この方法論は、消費者のDoニーズ(何かをしたいという強い欲求)に応える商品コンセプトを開発し、それによってHaveニーズ(それを欲しいという欲求)を生み出すことを重視しています。
具体的には市場調査では明らかにならない、消費者が気づいていないニーズを捉え、消費者の生活上の問題を解決することを重視しています。既存商品の問題点を解決するのではなく、消費者の行動に伴う問題を解決するコンセプトを開発しています。
商品コンセプトは商品コンセプトシートを作成し、アイデアを具体化します。アイデア飛躍発想シートでは、アイデア出しの壁を乗り越えるようにアプローチをします。コンセプトが固まってきたら、どのように表現をするかですが、表現コンセプトを明確にすることで、消費者に商品の魅力を効果的に伝えていきます。
定番商品になるための条件
定番商品は、商品コンセプト(買う前に欲しいと思わせる力)と商品パフォーマンス(買ってよかったと思わせる品質力)がうまく調和している新カテゴリー(=新市場創造型商品)によって生まれる。
また、強いブランドでありそのブランドの元をたどるとコンセプト思考になる。この要素に加えて、販売力と広告力も定番商品となるためには重要な役割を果たす。
商品力
- 消費者の潜在ニーズに応える。
- 生活上の問題を解決する。
- 新市場を創造する。
- 強いブランド力を持つ。
- 高品質で、期待を上回るパフォーマンスを提供する。
販売力
- 多くの店で扱われる(配荷店率が高い)。
- 消費者がスムーズに購入できるような販売ストーリーを構築する。
広告力
- 意識喚起メッセージによって、消費者の潜在ニーズを呼び起こし、「欲しい」と思わせる。
- 新カテゴリーを連想させるネーミングを用いる。
- キャッチフレーズで商品の良さを簡潔にまとめる。
- 広告やパッケージで表現コンセプトを効果的に伝える。
これらの要素が組み合わさることで、消費者は商品に強い期待を持ち、購入に至り、満足し、リピーターとなる。この繰り返しによって、その商品が定番商品となる。書籍では定番商品の条件だけでなく、定番商品によって経営が楽になる点についても触れられているので、ここの重要性についてピンとくるものがあれば書籍で確認してもらえればと思います。
最後に
広告運用者の視点で読んでみると広告パフォーマンスが良い結果になるには、商品力や販売力の力が欠かせないものだと考えられます。
商品力や販売力が弱い状態で広告を使って売上を伸ばそうとしても、それは一過性のものだったり効率が良いものではありません。広告を始める前に商品力や販売力を高めておくことを忘れないようにしましょう。
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